B. チャンディーガル連邦直轄領(4/13-4/15視察結果)
「裕福な計画都市・チャンディーガル」
■ 地域情報
GDP: 0.28% (23rd) of Total GDP
面積: 114 平方キロメートル (0.00% )
人口: 1,055千人 (30th / 0.09%)
州都: Chandigarh
主要言語: Hindi, Punjabi, English

チャンディーガルは、パンジャブ州およびハリアナ州の州都であるとともに、連邦直轄領としてインド連邦政府の直接統治とされている。このため、チャンディーガルは、パンジャブ州およびハリアナ州のいずれからも行政上は独立した都市として存在している。
チャンディーガルは、1947年のパキスタン・インド分離独立をきっかけに新たに建設された都市である。パンジャブ州は、英国インド領時代から存在していたが、パキスタン・インド分離独立によりパンジャブ州は、パキスタン領とインド領とに分割された。かつてのパンジャブ州の中心地であるラホールはパキスタン領であったため、インド領のパンジャブ州は新たな州都を建設する必要が生じ、計画的な都市設計に基づいて新しい都市が建設されることになった。この都市が、チャンティーガルである。
チャンティーガルの都市計画は、パキスタンとの戦略関係上重要な場所であったことと独立インド初代首相のジャワハルラール・ネルーの後押しもあり、最も素早く実行された。都市設計にあたっては、スイス生まれのフランス人建築家および都市計画家のル・コルビジェにより設計された。彼は、チャンディーガルの都市計画を、都市を人体の役割・機能と類似させて設計した。例えば、明確な意思決定・判断を行う都市機能としての官庁エリアを人間の頭部とし(Sector-1)、都市中心を人間の心臓と捉え(Sector-17)、自然・レジャーとしての丘やオープンスペースを人間の肺と捉えるなどである。チャンディーガルは都市全体が、碁盤の目に配置され、各ブロックが設計の順番に従って数字で示されている。

1947年のパキスタン・インド分離独立以前から、インド領のパンジャブ州には、言語・服装・習慣が異なる二つの大きなグループに分かれていた。大きくわけて二つのグループが存在するインド領のパンジャブ州では、1947年以降、それぞれのグループが共存できる州内を区分する案が持ち上がっていた。その案こそが、現在のパンジャブ州とハリアナ州の区分の原型ともいえる区分であった。しかし、すぐに州内での公用語や習慣の異なる地域を分割するという案は実現せず、最終的に1966年11月1日にパンジャブ州の東側を分割し、新しいインドの州・ハリアナ州が誕生した。ハリアナ州はヒンディー語が主要言語になり、パンジャブ州西部においてはパンジャーブ語が主要言語である。この分割により、チャンディーガルはこの二つの州の境界上にある連邦直轄地となり、また同時に双方の州の州都としても機能することとなった。
チャンティーガル市民の主要な雇用主は政府または政府系機関であり、人口の大きな割合を政府系機関で働く人々、またはかつて政府系機関で働いており今は退職した人々で占める。このため、チャンディーガルは、”Pensioner’s Paradise”とも呼ばれることもある。
このほか、チャンディーガルは、IT産業の振興を図っており、都市部にRajiv Gandhi Chandigarh Technology Park (RGCTP)などのIT地域を設け、そこに有力なIT企業およびIT系サービス企業の誘致を積極的に行っている。
チャンディーガル連邦直轄領として、州や他の直轄領とのGDPでの比較では、35地域のうち23位に位置しているが、一人当たり所得では、ゴア州に続いて第2位に位置付けられており、都市として裕福な地域であることがうかがえる。
(Data obtained from UNIDOW)
■ 現地視察レポート(Chandigarh)
2012年4月13日~15日、チャンディーガル連邦直轄領を視察した。
[市街全般]
市街全般は、建物・住宅・道路などの多くのものが十分なスペースの下に設計されており、非常にゆとりのある都市の印象を受ける。



[Sector-17]
Sector-17に位置するInter State Bus Terminal。十分なスペースのターミナルには、チャンディーガルが各地への中長距離バスが次々に到着しては出発を繰り返していた。

[Sector-22]
Sector-22は、チャンディーガルにおける商店やショッピングの中心である。チャンディーガルの商店街は、デリーのような大型のショッピングセンターは無いが、比較的小規模の店舗に、インドにおいては珍しく、眩しいくらいの明かりの下で、最新の家電(エアコン、洗濯機、液晶大型テレビ、冷蔵庫)が販売され、多くのお客が販売員と相談している姿が見られた。


[自然・公園等]
自然公園(左写真)、ロックガーデン(中央写真)、Sukhnal Lake(右写真)。

[Sector-70]
Sector-70は、番号の振られたセクターでは一番新しいセクターの一つであるため視察した。一番新しいセクターであるため、まだ工事中の部分が多く見られたが、裕福な所得層が住む住宅地として位置付けられたセクターであることが分かる。


[視察を終えて]
チャンディーガルに入ってみて、気づくのは、その光の多さ。贅沢なほどに光に溢れている街という印象を受けた。街が放つ豊かな明かりとゆとりのあるスペースが、街行く人々に生活のゆとりがあることを感じさせる。そして、とても安全な街という印象も同時に受ける。街においても、施しを求めるような人々の割合は非常に少なかった。
道路には、インドの他の都市に比べて、タクシー・オートリキシャやバイクの数が相対的に少なく、自家用車が多く、交通量に対して道路のスペースにゆとりがあり、比較的穏やかな運転との印象を受けた。
他に気付いた点としては、他の地域に比べて、シク教徒を多く見かけること、家電製品販売店が非常に多くかつその販売店に多くのお客がいることが挙げられる。日本の地方都市と似たような、都会の喧騒から離れた、静かで、落ち着いた街のようであった。
